京都は関西の中でもチョコレート専門店が多く建ち並ぶ街。
どのお店に行こうか迷っている方も多いのではないでしょうか?
そんな方にぜひ訪れてほしいお店があります。
本日ご紹介するのは京都御所のすぐ近く、中京区松本町にある「ASSEMBLAGES KAKIMOTO(アッサンブラージュ カキモト)」。
アッサンブラージュ・カキモトのオーナーシェフ垣本晃宏さんは世界最高峰のチョコレートコンクール「ワールドチョコレートマスターズ」に日本代表として出場した経験が2度もあるんです!
そんな世界レベルのアッサンブラージュ・カキモトをより楽しむために、ぜひ最後まで記事を読んでみてくださいね。
アッサンブラージュ・カキモトの特徴
アッサンブラージュ・カキモトはパティシエ、ショコラティエ、キュイジニエ(料理人)という3つの顔を持つシェフ垣本晃宏さんのお店。
珍しいのはその経歴。
2000年、当時25歳だった垣本さん。会社員を辞め、ホテルのパティシエに転職しました。
パティシエになるには高校卒業後などに製菓の専門学校に通い、ホテルやパティスリーなどに就職するイメージですよね。
25歳でパティシエに転向したその時に何があったのか、これまでにどんな努力をされてきたのか、気になるところです。
京都ロイヤルホテル、神戸菓子Sパトリー、レストランパトリー、アトリエアルション、サロンドロワイヤルなどを経て、2016年にご自身のお店をオープンしました。
そして、垣本さんといえば関りが深いのは「サロンドロワイヤル」。大阪の老舗チョコレートブランドです。
垣本さんはそのサロンドロワイヤルが京都に出店した「サロンドロワイヤル 京都」の立ち上げから携わったとして有名です。
また、輝かしいのはコンクールの受賞歴。
2011年には「クープ・デュ・モンド・ラ・パティスリー」の氷菓部門で世界第1位に、2013年と2018年の「ワールドチョコレートマスターズ」で総合4位という素晴らしい結果を残しています。
特に2013年のワールドチョコレートマスターズに出場した際、垣本さんはチョコレート作りに専念するようになってからわずか2年程だったとか。
幾度となく世界を舞台に戦ってきた垣本さん。
恐るべき才能とそれに勝るとも劣らない甚大な努力はいかほどのものか、想像に及びません。
世界大会で何度も日本代表に選ばれる実力を持つシェフのお店と思うと、期待で胸が高鳴ります!
クープ・デュ・モンド・ラ・パティスリー、ワールドチョコレートマスターズについて、詳しくは下記の記事で解説しています。
大切なのは「本物のおいしさ」
垣本さんは野菜や果物などの食材そのものの味、「本物のおいしさ」を味わってほしいと常々考えているそうです。
そのため、調理に欠かせないとされる香料などの添加物も使っていないとのこと。
調理の過程によって失われてしまう香りを補うための香料は、その素材の本当のおいしさとは異なると考える垣本さん。
垣本さんが考案したのは食材を組み合わせて、味を重ねるという手法だそうです。
味を重ねる上で垣本さんが注意していることはいくつかあるそうですので、こちらにまとめてみました。
- 3つ以上の食材を組み合わせる
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2つではなく3つ以上の食材を組み合わせることで想像しづらいうえ、意外性のあるおいしさを作ることができる
- 組み合わせる食材に共通項を見出す
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たとえば、「苦味」という共通点を持つ食材を組み合わせることで、違和感なく味の重なりを醸し出せる
- バランスを取る
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入れすぎると個性を主張してしまう食材は控えめに、バランスよく味と香りが重なりあうことで、あたらしいおいしさへと繋がる
この考えを知ると見えてくるのは店名の由来。
店名の「アッサンブラージュ」は「重ね合わさる」「組み合わせる」という意味を持つそうです。
これからお店に伺う皆さんにも、垣本さんが織りなすアッサンブラージュをぜひ体験してみてほしいと思います!
アッサンブラージュ・カキモトのおすすめ商品
ボンボンショコラ
アッサンブラージュ・カキモトのボンボンショコラは珍しい三角形(1辺が丸い扇形)をしています。
丸や四角形のチョコレートが多い中、何故三角にしたのでしょうか?
それは扇形に日本らしさを見出したからだそうです。
円形に並べると家紋のようにも見える、とのことですが、なるほど、想像してみると菊の家紋が浮かんできました。
また、垣本さんの作るボンボンショコラは先述のとおりいくつもの素材を組み合わせているので、珍しい味のものも多いのが特徴です。
普段は気になる味をセレクトして購入することが多い私なのですが、ボンボンショコラの種類も多く悩ましかったので、今回は5粒のアソートを購入してみました。
お味はこちら。
- バニラ
- シトロンフレーズ
- 大葉
- Sake
- マンゴージンジャー
実際に食べてみると、パフェやケーキに比べると小さなボンボンショコラに使われる素材の味は、意識しなければその存在を見過ごしてしまうほど絶妙なバランスを保つ繊細なものだと感じました。(まだまだ私がチョコレート初心者で修行中の身だからかもしれません)
が、だからこそ素材本来の味を感じられたときには、大きな驚きや感動を得られます。
箱の中にはそれぞれのボンボンショコラの簡単な解説がありますので、「レモンはどこだ?イチゴは?」と舌の上を探る様子はまるで宝探し。
繊細で独創的なショコラを求めている方にぴったりです。
フューチャーミュージアム
フューチャーミュージアムはカフェで食べられるデザートです。
こちらは2018年のワールドチョコレートマスターズで4位入賞した作品がベースになっています。
セロリのムースとチョコレートのムース、ナッツやクッキーが入ったパフェで、上には薄いチョコレートで蓋がしてあります。
見た目の美しさもさることながら、ご注目いただきたいのは最初の食べ始め。
添えられた温かいグレープフルーツのソースを上からかけることで、チョコレートの蓋が溶けていきます。
遊び心のある仕掛けに、食べる前からテンションはマックス!
アッサンブラージュ・カキモトのデザートはこのフューチャーミュージアムに限らず、上から温かいソースをかけたりフランベしたりすることで中身が見えるような仕掛けになっており、目の前で調理されるようなライブ感も楽しめます。
このソースはグレープフルーツを使ったもので、パフェの最初に登場するチョコレートとの相性は抜群。
チョコレートの甘さとナッツの濃厚さをグレープフルーツのやや苦味のある甘酸っぱさが中和してくれます。
次に姿を現すのはセロリのムース。
最初にスタッフの方がデザートの説明をしてくださるのですが、ムースの素材がセロリと聞いて楽しみにしていました。普通パフェに入ることは無い食材ですよね。
一口食べてみて驚愕!セロリっぽさはほとんど感じません。
言われてみれば、最後に野菜っぽい青い香りが鼻先を抜けていく感じがしました。が、何も知らずに食べていたらこれがセロリを使ったものとは思いもよらないでしょう。
最初にチョコレートとナッツ、グレープフルーツのソース、次に2種のムース、最後にチョコレートのクッキーと食感も単調にならずに最後まで楽しく食べられる構成です。
また、グレープフルーツのソースに入っているディルというハーブ。こちらも一緒に食べてみると爽やかな香りがほんのり香ってチョコレートと合わさると美味でした。
普段、添えてあるミントの葉などを食べない方であれば、ディルも避けてしまうかと思いますが、ぜひ一緒に食べてみてください。(かく言う私も普段はミントを食べません)
計算され尽くしたアッサンブラージュを体現できると思いますよ!
ケーキ
アッサンブラージュ・カキモトではケーキの取り扱いも多くあります。
中でもおすすめなのは「アッサンブラージュ A」。
こちらは2013年のワールドチョコレートマスターズに出場した際の作品が元になった1品です。
チョコレート、キャラメル、レモンとバナナのクリーム、コーヒークリームなどの層になっているケーキでさまざまな味覚が楽しめます。
見た目に反して甘さは控えめだそう。
こちら、大変な人気で13時ごろ(日曜日)には売り切れていました。
私も実食はまだなのですが、またこちらのケーキ目掛けてお店を訪ねたいと思います。
それとは別に、私が食べたことがある「ZEN」というケーキをご紹介いたしますね。
こちらはコーヒーのムースと餡子と求肥、甘口ワインにホワイトチョコレートのガナッシュという、和洋折衷な組み合わせ。
こんなに真っ白な見た目なのに、ちゃんとコーヒーの味がするんです!
どうなってるの?と不思議で、その意外性は目を見張るものがありました。
中に入った求肥もケーキと合わさるとアップデート。もちもち食感がアクセントを加えます。
こうして見てみると、アッサンブラージュ・カキモトのケーキはどれひとつとして他と同じものは無く、それぞれが意外性を持って完璧にアッサンブラージュしているのでしょう。
アッサンブラージュ・カキモトのカフェ情報
アッサンブラージュ・カキモトは、お店に入ってすぐショーケースが並んでおり、その奥にカウンターのみのカフェがあります。
和の趣ある落ち着いた内は、席数およそ10席ほどと多くはありません。
開店時間丁度の12時にお店に到着したところ、すでに開店を待っているお客様が4組ほどいらっやいました。
テイクアウトもカフェ利用も順番にお店の方が要件を伺ってくださるので、1列になって待ちましょう。
フューチャーミュージアムなどのカフェでしか食べられないデザートの他、ショーケースのケーキなども注文してイートインができます。
私がお店に伺った日曜日は、私が席に案内された時に既に1組のお客様が席に着いていました。
私の前には4組いらしゃったはずですから、テイクアウトのお客様も多いようですね。
ただ、開店時間を過ぎると続々とお客様が到着し、店内には注文客が常に2、3組、外には列ができていました。
1時間程(13:00頃)でお店を後にしましたが、そのころにはカフェを待つ方の姿も。
そして会計している隙にショーケースを見たら、アッサンブラージュ Aは売り切れていました。
狙った商品を確実に食べるなら、開店時間丁度か少し早めにお店に向かった方がいいでしょう。
また、レジ前は混雑していますので、カフェも使いたいしテイクアウトもしたいという方は、カフェメニューをオーダーする際にテイクアウト商品も一緒にオーダーしましょう。
「テイクアウトもしたいんですが」とスタッフの方に声をかければOKです。
カフェを出て、会計する際に頼んでおいた商品を渡してくれますよ。
お酒も楽しめる
アッサンブラージュ・カキモトのもうひとつの特徴は、豊富なお酒を取り揃えているというところ。
ワイン、シャンパン、ウィスキー、シェリー酒などの他に、「今月のデザートワイン」としてデザートに合うワインをチョイスして提供してくれます。
私はお酒自体は好きなのですが、最近ほとほと弱くなってしまったので誠に遺憾ながら自粛しました。
お酒が好きな方にはぜひスイーツとお酒のマリアージュを(私の代わりに)楽しんでいただきたいです!
アッサンブラージュ・カキモトの基本情報
住所 | 〒6040982 京都市中京区竹屋町通寺町西入る松本町587-5 |
アクセス | 地下鉄烏丸線「丸太町駅」徒歩9分、地下鉄東西線「京都市役所駅」徒歩9分、京阪電鉄「神宮丸太町駅」徒歩9分 |
TEL | 075-202-1351 |
営業時間 | テイクアウト:12:00~19:00 カフェ:12:00~不定 |
定休日 | 火曜、第2・4水曜(不定休) 不定期に店休日あり。Instagramの公式アカウントなどから確認しましょう。 |
席数 | 約10席 |
URL | http://assemblages.jp/ |
オンラインショップ | https://assemblages.stores.jp/ |
SNS | / |
料金 | ボンボンショコラ1個300円(税抜)、フューチャーミュージアム2,200円(税抜)、ケーキ580円(税抜)~、など |
- 新型コロナウイルス感染症対策のため、営業時間等が変更になっている可能性がございます。詳細は直接店舗へお問い合わせください。
京都御所にほど近いアッサンブラージュ・カキモト。
夏の暑いころとなると少し厳しいかもしれませんが、気候の良い時期なら散策がてら河原町から歩いてみるのも楽しいかもしれません。
寺町通りや新京極の商店街をウィンドウショッピングしながら歩いているとすぐに京都市役所前駅に着きますし、そこからは人通りも少なくなってくるのでのんびりお散歩してみるのもおすすめです。
また、今回大きくは取り上げませんでしたが、アッサンブラージュ・カキモトでは予約のみのディナーも用意がございます。
料理人としての顔も持つ垣本さん。スイーツとは違ったどんなアッサンブラージュが体験できるのでしょうか。
ディナーにも興味がある方、ぜひレポートをお待ちしております!
まとめ
素材と素材の組み合わせを大切にしているアッサンブラージュ・カキモト。
チョコレートにせよ、パフェにせよ、ケーキにせよ、組み合わされた食材が奏でるハーモニーに驚きの連続でした。
見た目も美しいですが、それ以上に驚愕するのはその中身。ただ美味しいだけじゃない、繊細さと独創的な世界観を持った作品たちがあなたを待っています。
垣本さんのおっしゃる「本当のおいしさ」を体験してみたい方はぜひ、一度訪れてみてほしいと思います。
- 味:
- 見た目:
- 雰囲気:
- コスト:
- 接客:
パフェは若干お高めかなと思いますが、世界レベルの味と思えば納得の価格設定。