世界的に有名なショコラティエというと、イメージするのはやはりヨーロッパ!
美食のフランス、チョコレートの本場ベルギーなどなど。
ところが、実は日本にも世界レベルで活躍するショコラティエが何人もいるんですよ。
今回はその中のお一人、小野林範さんが立ち上げた京都・東山にあるチョコレート専門店、「Chocolaterie HISASHI(ショコラトリーヒサシ)」をご紹介したいと思います。
この記事では大阪在住の筆者が実際に店舗を訪れ、公式ホームページだけでは分からないショコラトリーヒサシの基本情報や商品について説明しています。
ショコラトリーヒサシをご存知ない方、知っているけどまだ行ったことがない方、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ショコラトリーヒサシの特徴
ショコラトリーヒサシは冒頭でもお伝えしたとおり、ショコラティエ小野林範さんのお店です。
小野林さんはクラブハリエに入社し、15年という期間に渡ってショコラティエとしての経験を積んできた方です。
2012年には「WPTC(ワールド・ペストリー・チーム・チャンピオンシップ)2012」にチームジャパンの一員として出場し、チョコレートピエス(チョコレート細工)部門を担当。見事連覇を達成しました。
さらに「ワールドチョコレートマスターズ2015」に日本代表として出場し、準優勝という快挙を成し遂げています。
ワールド・ペストリー・チーム・チャンピオンシップとワールドチョコレートマスターズについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
クラブハリエとは、滋賀県にグループ本部を置く菓子製造・販売と飲食のグループ企業である「たねや」の洋菓子部門から発足したブランドです。
その歴史は長く、クラブハリエの洋菓子部門として始まったのは1951年。その後1995年に株式会社クラブハリエが設立されました。
今では本拠地である滋賀県を中心に大阪や東京などにも多くの店舗を持ちます。
クラブハリエといえば有名なのは「バームクーヘン」。
「バウムクーヘン」ではなく、「バームクーヘン」という名がクラブハリエの特徴です。
しっとり柔らかなクラブハリエのバームクーヘンは多くのお客様から美味しいと太鼓判!
また、クラブハリエでは国内外のショーやコンクールで受賞したシェフを多く輩出しています。
何故クラブハリエには高い技術を持つシェフが集まるのか?
その理由は経営者でもある統括グランシェフの山本隆夫さん。日本一、その次は世界を視野に入れて挑戦し続ける山本さんの元に同じく世界を目指し切磋琢磨するシェフたちが続々と集まったのはないでしょうか。
近年では、クラブハリエは2017年に滋賀に「ラ コリーナ近江八幡」をオープンしました。ラ コリーナ近江八幡は広大な敷地にショップだけでなく、フードコートや農園を持つ、まるでテーマパークのような複合施設です。
オリジナルクーベルチュール「ガイア71%」
小野林さんが出場した「ワールドチョコレートマスターズ2015」のテーマは「Inspiration from Nature(インスピレーション・フロム・ネイチャー)」というものでした。
そのテーマに沿った課題のひとつが「オールノワール」。
カカオバリーのカスタムメイドチョコレート「オールノワール」を各選手がそれぞれ事前に作成しておき、それを元に競技に臨みます。
自身で配合比を決めて製造したオリジナルのクーベルチュール「ガイア71%」がショコラトリーヒサシの特徴のひとつ。このガイア71%はこの先も小野林シェフだけが使うことができるものなんです!
まさにショコラトリーヒサシでしか出会うことのできないチョコレートという訳ですね。
このガイア71%を使った商品として、ボンボンショコラ、タブレット、ケーキ、ソフトクリームがあります。
コンセプトは「おみやげやさん」
将来的に海外進出も視野に入れているという小野林さん。そのため、世界的にも知名度のある京都で出店したかったそうです。
自身のブランドに日本文化を盛り込みたかったという彼はお店のコンセプトを「おみやげやさん」としました。
なるほど、それを踏まえて見てみると、店先にかかった暖簾は観光地のお土産物屋さんを彷彿とさせます。
このショコラトリーヒサシのロゴ、よく見ると糸のような線が「ひさし」という文字になっているの、皆さんはお気づきでしたか?
スタイリッシュな中にも遊び心と日本らしい親近感を感じます。
チョコレート専門店というと、黒、白、ブラウンなどのパッケージが多いように感じるのですが、ショコラトリーヒサシの薄っすらとしたピンク色も可愛い!
紙袋を手に持って歩くのが楽しくなりそうですね。
ショコラトリーヒサシのおすすめ商品
ボンボンショコラ
定番の味から少し個性的なフレーバーまで、20種類前後のボンボンショコラがショーケースを彩っています。
札には名前の記載しかないので、初めての方は選ぶのに迷ってしまうかも。
ですが、分からないものは店員さんにどんな味か尋ねると丁寧に教えてくださるので安心です。
すべてのフレーバーを網羅した訳ではありませんが、私が食べたどのショコラも口当たりが良く、カカオと素材の味が喧嘩せずにバランス良く感じられました。
カカオの味が強すぎて合わせた素材の味が感じられない、逆に素材の味が強くてカカオの風味を感じない、なんていうことはまったくなかったです。
1粒から購入可能ですが、アソートボックスも用意があります。
定番のフレーバーを組み合わせた「HISASHI SELECTION A」と、フルーツやスパイスの組み合わせを楽しめる「HISASHI SELECTION B」。
また、1粒ずつ個別に購入することもできますし、箱代が別途必要になりますが好みの味で箱に詰めてもらうことも可能です。
WPTC2012
小野林さんが出場したWPTC2012に優勝した際の作品を元にしたボンボンショコラの3粒セット。
この3粒は2012年のチームジャパンのメンバーを表現しており、それぞれが好んだ素材を使用しているそうです。
2012年の大会テーマ「Horoscope(ホロスコープ・星占い)」から、「キャンサー」はかに座、「ヴァーゴ」はおとめ座、「ピスケス」はうお座という、メンバーそれぞれの星座を表しています。
こちらの商品はオンラインショップからも購入が可能です。
Monaショコラ(モナショコラ)
ショコラトリーヒサシの商品でぜひ試していただきたいのが「Monaショコラ」。
モナカの皮に、餡子の代わりにチョコレートクリームを挟んだお菓子です。
20℃以下で冷暗所で保存とのことで、比較的保存時の温度管理がしやすく手土産としても最適ですよ。
Monaショコラにはショコラと抹茶の2種類があります。
ショコラは352円(税抜)なのに対し、抹茶は400円(税抜)と少々お高め。
詰め合わせはショコラと抹茶の個数が決まったものがディスプレイされていますが、「すべてショコラにすることもできますよ」とスタッフの方が声をかけてくれました。
見た目はチョコレートのスタンプが押されたモナカそのもの。
まず香りを嗅いでみます。
ショコラは芳醇なカカオの香りを、抹茶は濃い抹茶の香りを感じました。
思い切ってかぶりつくと皮のパリッとした食感が爽快!
次に舌に感じるのはふわふわのチョコレートクリームです。
「甘くて美味しい~」と咀嚼を続けていると、ふと、時たま塩味がやってくることに気がつきました。
中に塩気のあるパフが含まれているみたいです。それが甘さを際立たせて更に美味しい。
抹茶の方は抹茶の味を濃く感じるためか、ショコラほど甘味と塩味のコントラストは感じませんでした。
けれどしっかりと抹茶を感じられて抹茶好きにはたまらないお味。
皮の外側にはチョコレートでスタンプが押され、内側にはチョコレートのコーティングがされているので、チョコレート本来の味も楽しめるのがMonaショコラのすごいところ。
詰め合わせを購入したときは、ちょっと買いすぎたかなと思ったのですが、飽きない味ですし、中のクリームが軽いのでいくらでも食べられそうです!
ケーキ
ショコラトリーヒサシのショーケースには数々のケーキも並んでいます。
その日筆者がお店を訪れたのは開店時間約10分後であろう10時40分頃。ちなみに曜日は日曜日です。
お店の外にまで列はできていなかったものの、既に店内には3組ほどのお客様がいらっしゃいました。その後も続々とお客様がやってきます。
開店1時間後の11時30分には売り切れのケーキもチラホラ。
平日の14時頃伺った際はケーキは一切残っていませんでした。
色んな種類から選びたい、絶対に食べたいケーキがある、といった方は開店直後にお店に向かった方がいいでしょう。
それでは、私が食べたことのあるケーキをご紹介いたしますね。
ガイア71
ショコラトリーヒサシオリジナルのチョコレート「ガイア71%」を使用したケーキです。
球状のチョコレートムースが厚めのチョコレートでコーティングされており、土台のサブレはサクサク感の中にも少しだけしっとりとして、全体的にチョコレートの重厚感を感じる1品。
「チョコレート好きなら買わない手はない!」と言えるくらい、ショコラトリーヒサシを代表するケーキのひとつとして、1度は試してみてほしい作品です。
ガチャP
こちらはWPTC2012で優勝した際のプティガトー作品を元にしたケーキ。
ピスタチオのムースがベースとなった1品です。
見た目から分かるとおり、ネーミングは某子供向け番組に登場するあのキャラクターですね!
遊び心あるネーミングにお連れ様との会話も弾むのではないでしょうか。
濃厚なピスタチオにブラッドオレンジとアプリコットの酸味が良く合います。特にアプリコットの甘酸っぱい感じは癖になりそう。
レーヴ
こちら、人気商品らしく私がお店に伺った日は1番に売り切れていました。
白くてまん丸な見た目はどこか神聖な雰囲気も感じます。
一見するとガイア71によく似た見た目で、「ガイア71をホワイトチョコレートにしたのかな?」と思われるかもしれません。
が、ガイア71に比べるとコーティングのチョコレートが薄くて、外側に吹き付けられたピストレもきめ細かく、パティシエも思わず唸るクオリティの高さです。
中はクリームチーズのムースになっていますが、空気をよく含んでおりふわふわの食感。
土台のサブレもガイア71に比べるとよりサクサクです。
ガイア71がチョコレートの濃厚さを存分に感じるための一品だとしたら、レーヴはふわふわの雪のような軽い口当たりの一品と言えるでしょう。
ソフトクリーム ガイア
まず一口食べてびっくり!
ソフトクリームの口当たりは軽くて滑らか。なのにしっかりとチョコレートの味を感じられます。
こちらのソフトクリームにも「ガイア71%」が使われています。濃厚なカカオを感じるのはそのためでしょうか。
また、ソフトクリームにはボンボンショコラのトッピング付き。もちろんお好きな種類を選べます。
その他にもチョコレート飾りが2種類添えられていて、これで500円(税抜)ってお手頃価格と思いませんか?
ワッフルコーンかカップか選ぶこともできますよ。
ショコラトリーヒサシのカフェ(イートイン)情報
ショコラトリーヒサシには、大きなカフェスペースは用意がありません。
代わりにあるのは小さなカウンターのイートインスペース。
カフェを作らなかったのは何故か疑問でしたが、「おみやげやさん」というコンセプトに則っていると考えると、それも頷けます。
ショコラトリーヒサシにはテイクアウト可能な商品が多いのですが、それでもやはり生菓子を持ち帰るには少々距離があるところに住んでいる方にとっては、イートインスペースはありがたい存在なのではないでしょうか。
キャリーバッグを引いた旅行者と思しきお客様の姿もよく見られました。
イートインスペースの混雑具合ですが、6席程度の広さですので、お席が空いているかどうかはもうタイミング次第としか言いようがありません。
広くはないスペースですので、皆さん食べ終わった後もまったりするというよりも、早めに席を立つ方が多い印象でした。
満席の場合、お店の方に相談して席が空くまで待つことも可能かと思います。
実際私は席が空くまでしばらく待ったことがあります。
その間に店内を見学したり、持ち帰り用の商品を購入していたら割とすぐ(20分以内かと)席が空きました。
ショコラトリーヒサシの基本情報
住所 | 〒605-0033 京都府京都市東山区夷町166-16 |
アクセス | 地下鉄東西線「東山駅」徒歩4分 |
TEL | 075-744-0310 |
営業時間 | 10:30-18:00(イートンラストオーダー17:30) |
定休日 | 毎週月曜、第1・3火曜 その他不定期に店休日あり。Instagramの公式アカウントや公式ホームページから確認しましょう。 |
席数 | 約6席 |
URL | https://www.chocolaterie-hisashi-kyoto.com/ |
オンラインショップ | https://hisashi-kyoto.shop-pro.jp/ |
SNS | / |
料金 | ボンボンショコラ1個278円(税抜)、Monaショコラ1個352円(税抜)(抹茶味1個:400円(税抜))、ケーキ1個580円(税抜)~602円(税抜)、ソフトクリーム500円(税抜)など |
- 新型コロナウイルス感染症対策のため、営業時間等が変更になっている可能性がございます。詳細は直接店舗へお問い合わせください。
まとめ
私が初めてショコラトリーヒサシのボンボンショコラを食べた時、その美味しさに愕然としました。
それから「もう一度お店に行きたい!」と思い何度かお店に足を運びましたが、本当にどの商品も美味しいんです!
お店のスタッフの方も、こちらが尋ねたことに答えるだけでなくこちらが良い買い物ができるよう提案してくれ、接遇力の高さを感じます。けれど気取らず気安い雰囲気が丁度いいんですよね。
私の大好きなお店のひとつになりました。良ければ皆さんもお店を訪ねてみてくださいね。
- 味:
- 見た目:
- 雰囲気:
- コスト:
- 接客:
本当に間違いない美味しさ。
世界レベルのチョコレートと思うとコスパも良いように感じます!